Publish:2026.05.15
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「笑顔で話した方がいいのかなと思ったけど、内容が内容だから笑顔にもなれなくて。でも、真顔なのも違う気がして……」
そう話してくれたのは、おおぞら高校 厚木キャンパスの生徒たちです。
厚木キャンパスでは、認知症の方のご家族と高校生が交流する「つながるカフェ」を継続的に実施しています。
活動のきっかけは、探究学習の大会「クエストカップ2025 ソーシャルチェンジ部門」。
認知症の方のご家族を支援するにはどうしたらいいのか。
その問いと向き合う中で、生徒たちは実際に地域へ出て、ご家族との交流を続けてきました。
「最初に家族会へ行った時、金銭面や制度面の話も出てきて。でも、高校生の私たちにそれを解決できるかって言われたら、できないじゃないですか」
活動を続ける中で、生徒たちは“無力感”も感じていたと言います。
「自分たちがやっていることって、“善意の押し付け”になっていないのかなって不安だったんです」
そんな中で印象に残っている言葉がありました。
「“若い世代が知ろうとしてくれるだけで嬉しい”って、ご家族の方が言ってくださったんです」
その言葉をきっかけに、生徒たちの中で少しずつ考え方が変わっていきました。
「直接大きな支援はできなくても、“知ろうとすること”にも意味があるんだって思えました」

取材の中で、生徒たちが印象に残っているエピソードも教えてくれました。
認知症のおじいさんが、食事中に孫の名前を忘れてしまった時のこと。
その時、お孫さんがこう言ったそうです。
「おじいちゃんが忘れても、僕たちが忘れないから大丈夫だよ」
その言葉が、今でも強く印象に残っていると話してくれました。

今回の取材で印象的だったのは、生徒たちが「正解」を語っていなかったことです。
迷いながら、
悩みながら、
相手の気持ちを考え続けていた。
その時間そのものに、学びがありました。
「知ろうとすること」
「考え続けること」
その一歩が、誰かとのつながりを生み出していくのかもしれません。