Publish:2026.05.22
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「違う考え方の人って、こんなにいるんだ。」
おおぞら高校仙台キャンパスの生徒が参加した美術ワークショップでは、美大生や地域の人たちなど、普段の学校生活ではなかなか出会わない人たちとの交流がありました。
それぞれが違う感性や考え方を持っている。
それでも否定し合わず、自然に共存している。
その空気に触れたことで、自分の中の“当たり前”が少しずつ変わっていったといいます。
今回参加したのは、武蔵野美術大学と地域の中高生による美術ワークショップ「森と海の美術展」。
参加のきっかけは、家族からの誘いでした。
もともと中学生の頃から絵を描いたり、さまざまなイベントに参加したりしていたこともあり、「とりあえず行ってみようかな」という感覚で参加を決めたそうです。
「最初は、大きい作品が描けるのかな、くらいしか考えてなかったです。」
しかし、その“なんとなく参加した時間”が、少しずつ価値観を変えていきました。

ワークショップでは、1日に複数の海岸を巡りながらデッサンを行いました。
そこで印象に残っているのが、美大生との制作時間です。
本人は海を見て「黒い」と感じ、鉛筆で黒く塗るように描きました。
一方、一緒に描いていた美大生は、海を“緑色”で表現していたそうです。
「同じ景色を見ているのに、人によってこんなに感じ方が違うんだって驚きました。」
さらに、美大生から「線が強いから木炭が向いているかも」と言われたことをきっかけに、木炭画にも挑戦。
自分の中になかった表現方法と出会い、表現の幅が広がっていきました。

1年目の作品では、「ブラックホールと海」をテーマに制作。
描きたいイメージ自体は早い段階で言語化できていたものの、それを形にすることには苦戦したといいます。
「当時は、パースとか形を綺麗に描く知識がなくて、全然進まない時期がありました。」
そして2年目。
“今までやったことのない表現”に挑戦したいと思い、「点だけで風景を描く」という制作に挑戦しました。
最初は細かな点で描いていたものの、制作を続けるうちに点はどんどん大きくなり、モザイク画のような大胆な表現へと変化していったそうです。
「描いていて、自分が“楽しい”と思える方向に変わっていったんです。」
正解を探すのではなく、“自分らしい表現”を見つけていく。
その時間そのものが、大きな変化につながっていきました。

今回の経験について、本人はこう振り返ります。
「一番大きかったのは、自分が知らない世界に触れられたことです。」
特に印象的だったのは、美大生や運営スタッフ、地域の人たちとの関わりでした。
それぞれが違う感性や考え方を持ちながらも、お互いを否定せずに共存している。
その空気感に触れたことで、「多様性ってこういうことなんだな」と感じたそうです。
また、実際に現地へ足を運び、風や空気、温度を感じながら描いた経験によって、作品には“体験した感情”が表れることも実感しました。
「これからも、自分が知らない世界に触れていきたいです。」
作品づくりを通して広がったのは、表現の幅だけではありません。
“自分の見える世界”そのものが、少しずつ変わっていった時間でした。